あほろばの手記

生死確認かチラシの裏に書くような散文置き場

虚空の鳥

好きな人をずっと好きでいるために
好きな人はあるがままであって欲しい




鳥かごに閉じ込めて
歌声を聴くなんて
本当の歌声じゃない




野に咲く薔薇や菫に降りた朝露の輝きのように
手にとってしまえば失ってしまう美しさであったとしても
あなたがあなたであることが一番愛しい




鳥は野で愛しい人を呼び
愛をささやく




虚空にあって届かなくても
いつまでもそのままでいて
触れられないのなら
その空ごと抱きしめるから




鳥よ
鳥よ
虚空の鳥よ
あるがままにあれ
なすがままになせ
こころのままにうたをつむげ
いとしいいとしい
空のけものよ