あほろばの手記

生死確認かチラシの裏に書くような散文置き場

招待状2



画像は現場風景


夕食時、めずらしく晩酌(スミノフアイス・スパイス(゚д゚)ウマー)しながらハンバーグとマッシュポテトやらサラダを食べながら母と談笑。
数年前のトンネル現場であった不思議な話やら話したのですが、そこで出てきたのがこの間の『鬼女』のお話でした。
トンネル工事の方たちは閉山してしまった炭鉱の元炭鉱夫の方たちでの技術を活かし工事を行うのですが、元の鉱山からお持ちになられた司祭具でそのトンネル工事入り口上部に神様を祭って安全祈願しているのです。
女の私がゲートに警備員として立っていたのですがもちろん近づけませんでした。
女の神様だから嫉妬してしまうからなのですが、それも含めて大変危険なので男衆は余計な人を立ち入らせたくないための昔からの防護作なのんだろうと思いました。小規模な落盤があり粉塵で灰色の人が這い出てきた事もあったし、顔を洗ってやっと監督とわかったり。
親方の号令は絶対命令でしたし怪我や事故のたびに神様にお伺いを立ててました。
信じてる人はいっぱい居るし神様だって普通に居るよねーとか話してたり。


んで前振り終わり本題へ〜


●白昼の鬼女


真夏の真昼間、体温と変わらない気温の下で立っているといきなり世界は明るく真っ白に・・・
熱中症にしては身体は普通で肌に当たる風や目に見える世界は変わらないのに私の中のもう一つの感覚が不可視の世界を現実と変わらない精巧さで見せてきました。


それは目前で立っていました。
何かが振り向いたように現れたと思うとそれは人の形をしていました。
長いざんばら髪は腰の下まであり、髪の色は野晒しのダンボール色。
点のように小さくなった瞳孔と黄土色の虹彩とこれ以上ないくらい開ききった瞳。
着物は帯のあたりで落ちて止まっている程度で二の腕に袖が引っかかっている。
腕はその胸を隠さず乳房はむきだしのままに、苦悶とも怒りとも取れる表情でこれが生きてる人間ならまともな精神状態じゃないと一目瞭然。


この世の存在とは次元の違う、それで居て人の形をしているその方と対峙してしまいました。
私は仕事中と言う意識はあるものの突然の出来事でまったく動けず、得てしてこう言う時は車両も人もまったく通らず、異次元の隙間に落ち込んだような感覚を感じました。
背中を落ちる冷たい汗がまるで刃物を当てられたかのように感じて悲鳴が出そうになるのをこらえました。


その方の口が動いてるけど聞き取れず、そうこうしてる内に頭に聞こえてきました。
内容はすんごく個人的なこと言われました・・・悪いことを良くするチャンスをくれる話でした。
私の受け答えに満足したのか振り返るように後ろを向いたと思うといきなり消えました。
現れたのが突然なら消えるのもいきなりでした。
よかった怒られなくてと思いつつ動悸のする胸を押さえて深呼吸してました。


今いる現場には大昔からの塚が立っています。
それはそれは祟り神として有名な荒神様です。
工事区間内立ち入り禁止のため雑草に埋もれて見えません。
早速その日の終業後草むしりをしました。
ちなみに現場は橋の架け替え工事なのですが、その橋はその神様を守るために架けられた由来のある橋です。


それからどうなったかって?






今日も目の前を歩いて居られました。





・・・ああ、早くこの現場終わらないかなあ・・・


とっぺんぱらりのぷー