あほろばの手記

生死確認かチラシの裏に書くような散文置き場

難読症の少年が主人公の漫画


ファンタジウム 1 (1)
ファンタジウム 1 (1)
posted with amazlet on 07.07.13
杉本 亜未
講談社 (2007/06/22)


難読症がみんなに認知される第一歩じゃないかと注目している作品です。
主人公の少年は発達性読み書き障害のため読むことも書くことも出来なく中学に通ってません。
マジックに憧れながらその道を歩まなかった北条とマジックの才能に溢れながら一見気付かれにくい障害を抱える長見良のお話です。
ちなみに良は北条の祖父の弟子です。
作品としてとてもすばらしく何度も目から塩水が・・・良質のヒューマンストーリーです。




すでに日記でカミングアウトしてますが改めて私は難読症です。
個々によって違いますが私のは漢字はある程度読めるけど小2程度しか書けないから手書きはひらがなだらけ、簡単な暗算できない、五十音が順番に言えない、九九が完璧ではない、英単語や小文字大文字が記号としてしか見れないから読めない、ローマ字のキャやショなどが書けないしやたらと読み書きに時間がかかる、十分な推敲が出来る文章ならある程度自分の意見を書けますが言葉ではなかなか言えないく黙ってしまうか吃音障害が出る、同じ事を繰り返してオウムのようになったり、あきらかに他人より整理整頓が難しかったり、多動症もあり落ち着きがなく一時間座って話を聞くのはもはや修行か拷問です。
私の父や娘、父方の親戚、血の繋がりのない元夫の本家の子供たち(私の子供たちからすれば従兄弟)も同じ症状です。
娘や従兄弟は特別カリキュラムで担任と副担任と特殊学級の先生に指導を受けてます。



そんな私でもワープロやPCによって自作のものに漢字を付けることが出来たり、そこそこ普通の人っぽく出来てます。
学生の頃あきらめていた二次創作も発表出来るとは嬉しい限りです。
四年前の自分はただ形に出来ることが嬉しくてスレの書き込みなんか空気読まずありがとうを連呼してましたっけ。
でもいくらやってもコマ割りできないし、論理的に自分の意見を述べたり無理だし、スレで空気読みながら的確な意見を述べるって四年やっても全然無理だけどね。



読み書きできなくても教養って養えると思うんだけどな、でもそれはとっても遅々としていて義務教育のスピードでは無理だけど、ゆとり教育でも一年分が二年以上かかるのろさだけど。でもそれは自分なりの解決方法が見つかったときでほとんどの人が停滞したままなのが現実なんだけど。自分は父から漫画を読んでその台詞にある言葉がわかるようにすればいいよと教えられてました、だから買い与えられて幼い時から漫画がいっぱいありました。父ものらくろ読んで覚えたらしいし。しかし藤子藤男の「魔太郎がとおる」「奇面商会」とか梅津かずおの「猫目小僧」「ウルトラマン」とか水木しげるの「カッパの三平」「墓場の鬼太郎」とか手塚治虫の「空気の底」とか父の趣味だったんだろうか・・・?いや普通に復刻版ののらくろ冒険ダン吉火の鳥ブッダはだしのゲンドラえもんとかあったけど・・・チョイスが今でもよくわからない、ちょっと未就学児童にはグロいしエロいと思うんだけどな。あっ少女漫画がまったくないの今気付いた・・・。



一見普通に見える障害ほど差別されたり心無い言葉の暴力にさらされたりします。
こんなふうに漫画とかで認知されると嬉しいですね。
会社の私の師匠でもある76歳の同僚は就業前のミーティング表に私が「合図」を書けないで固まってると「合は合コンのごう!」「図は図々しいのずと図工のず」とか嫌味なく普通に教えてくれます。
そんな人ばかりではないのは痛いほどわかってます、ただこんな人が増えてくれたらと願わずにはいられません。



安部総理の教育改革のお陰で総理になった年から難読症多動症など授業に付いていきにくい子供たちの救済プログラムが始まってます。
娘や従兄弟もそのプログラムの恩恵にあずかってなんとか登校拒否や落ちこぼれ扱いされずキチンと教育を受けることが出来ています。
私の時代は・・・高校中退までいけたのはいじめに耐えたからだったし、ぜんぜん授業に付いていけなくて辞めました。母親がいつまでも漢字が書けない勉強できないのは心がゆがんでるからと本物の○チガイ扱いして精神病院たらい回しだったし・・・トランキライザーで頭は良くなりませんってば。

娘に同じ苦渋を味合わせたくないです。
もっともっと理解のある世界になったらいいなと思ってます。